- 1.2件の不適切な配線が確認された経緯
- 【事例1】
平成23年4月18日、福岡市営住宅の下山門団地(福岡市西区)において、お客さまが空だきをされ、ベランダに設置されている給湯付ふろ釜(リンナイ製:RFS-65-A・1994年1月製造)が一部焼損いたしました。
製造メーカーであるリンナイ(株)様が機器を調査したところ、安全装置が不適切に配線されておりお客さまが空だきをされた場合には、空だき安全装置(※2)・過熱防止装置(※3)が共に機能せず自動的にガスを遮断しない状態であることが確認され、5月16日に当社に報告がありました。
(※2) 空だき安全装置 |
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お客さまが空だきされた場合に、熱交換器の異常過熱を防止するために、一定温度に到達した時点で自動的にガスを遮断する装置 |
(※3)過熱防止装置 |
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機器内部の異常過熱を防止するために、一定温度に到達した時点で自動的にガスを遮断する装置 |
- 【事例2】
当社は、事例1を踏まえ福岡市住宅供給公社様と協議を行い、福岡市営住宅の修理時や退去時に、ふろ釜の安全装置の結線点検を行っております(現在継続中)。
この取組みを行っている最中の平成23年7月7日、福岡市営住宅の板付団地(福岡市博多区)において、浴室内に設置されている給湯付ふろ釜(ガスター製:SR-63S2・1998年5月製造)の修理の際に、空だき安全装置の機能を解除した不適切な配線が行われていることを確認しました。
ただし、お客さまが空だきをされた場合には空だき安全装置は機能しませんが、事例1とは異なり過熱防止装置が作動し自動的にガスを遮断できる状態でした。
- 2.今後の対策について
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当社は、当該2件の事例と同様に安全装置の不適切な配線が行われている可能性があるふろ釜【2,457台】を対象として、安全装置の結線点検(無償)を行います。
(1)点検対象となるふろ釜の選定について
当該事例の修理履歴と同時期に福岡市営住宅のふろ釜(福岡市の所有釜)の修理に従事していた修理担当者は、福岡市営住宅に加え福岡県営住宅、福岡県公社住宅、独立行政法人都市再生機構(以下、UR都市機構)様の賃貸住宅に設置しているふろ釜の修理を行っておりました(※4)。
従って四つの賃貸住宅の安全装置に係る修理履歴があるふろ釜を最優先に、点検が必要な対象機器と位置付けました。
(※4)当社は、福岡県様・福岡県住宅供給公社様・UR都市機構様から、給湯機器の修理業務を受託しております。
<点検対象のふろ釜台数>
区分 |
点検対象台数 |
福岡市営住宅 |
1,066台 |
福岡県営住宅(福岡地区) |
159台 |
福岡県公社住宅(福岡地区) |
53台 |
UR都市機構住宅(福岡地区) |
1,179台 |
合計 |
2,457台 (※5) |
(※5)点検対象には、当社グループが修理受付を行い、修理依頼先が不明確なふろ釜についても含めております
(2)ふろ釜の安全装置の結線点検について
当社社員が対象となるふろ釜が設置されているお客さま宅を訪問の上、安全装置の結線点検(無償)を実施いたします。
[1]点検期間
平成23年8月15日(月)〜8月31日(水)を予定しております。
(土・日を含めた9:00〜19:00)
[2]点検体制
当社社員22名による専属の点検チームを編成いたします。
[3]作業内容
ふろ釜の前面パネルを外し、機器内部の損傷の有無、安全装置の結線状況を確認いたします。(作業時間:約20分/台)
[4]お客さまへの周知
対象となるお客さまには当社よりダイレクトメールを発送し、点検訪問のお願いと、ふろ釜のご使用に関する安全周知(点検が完了するまでのお願い)を行います。また、当社ホームページに掲載いたします。
[5]お問い合わせ窓口
西部ガス(株) お客さま・市場開発本部 お客さまセンター
◎電話番号 (092)633−2345
◎受付時間 (月〜金)9:00〜19:00、(土)9:00〜17:00
上記以外は、時間外受付者が承ります。
- 3.現時点での再発防止に向けた取組み
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(1)修理時にふろ釜の安全装置の結線点検を実施
ふろ釜の修理機会において、全社的に安全装置の結線点検を実施いたします。
(2)修理に関する有資格者への教育
修理に関する社内資格の更新時(1回/3年)を活用して、「修理時の適性作業に関する教育」を継続的に実施いたします。
事例1の発生後、緊急対策として6月中旬から7月中旬にかけて有資格者全員を対象とした同教育を実施いたしました。
(3)修理業務管理の改善
修理の受付から完了までの一連の業務を確実に管理するために、当社が運用している修理システムの入力方法、修理進捗管理の改善を実施いたします。