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石炭ガス工場跡地(北九州地区の3ヵ所)の土壌・地下水に関する
調査結果と今後の対策について

平成24年4月5日

 西部ガスでは、法令順守や環境問題への対応を重要な経営課題と位置づけており、平成22年4月1日の改正「土壌汚染対策法」の施行を契機に、平成23年6月に社内に専門の組織を設置して、石炭ガス工場跡地の土壌に関する計画的な自主調査と対策を進めております。

 このたび、弊社は、北九州市の3ヵ所の石炭ガス工場跡地(小倉北区竪町・若松区北浜・門司区葛葉)において、自主的な土壌調査・地下水調査を実施いたしました。その結果、当該3用地の敷地内の土壌の一部区画から土壌汚染対策法の基準を上回る特定有害物質が検出され、また、若松区北浜、門司区葛葉の2用地の敷地内で採取された地下水の一部から、地下水の環境基準を上回る有害物質が検出されました。弊社は、本日、正式に汚染状況とその対策について北九州市に報告を行いましたので公表いたします。今後、弊社は、北九州市のご指導をいただきながら適切に対応してまいります。
 なお、土壌の飛散等の直接摂取による影響はないものと考えております。また、北九州市が近隣の井戸の水質調査を実施された結果、有害物質の検出はなかったとのご報告をいただいております。

 近隣の皆さま、ならびに関係各位には、ご心配、ご迷惑をおかけいたしますことをお詫び申し上げます。併せて、土壌対策に対する取り組みが遅れたことを深く反省する次第であります。何卒、皆さまのご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

土壌・地下水対策の概要について

  1. 1. 調査対象用地(所在地および面積)
      用地 所在地 面積
    1 小倉北区竪町用地 北九州市小倉北区竪町2丁目3番 約1万4千5百m2
    2 若松区北浜用地 北九州市若松区北浜1丁目2番 約2千9百m2
    3 門司区葛葉用地 北九州市門司区葛葉2丁目6番 約5千m2
  2. 2.調査を行った経緯

    平成22年4月1日に改正土壌汚染対策法が施行され、一定規模(3,000m2)以上の土地の形質変更(土壌の掘削、盛土などによって土地の物理的形状を変更する行為)を行う者は、都道府県知事(市長)への届出が義務付けられ、また都道府県知事(市長)は、その土地に土壌汚染のおそれがあると認める場合は、土壌汚染状況調査の実施を命ずることができることとなりました。
    これを契機に、弊社では所有する石炭ガス工場跡地について順次計画的な自主調査を行い、土壌汚染が認められた場合は、速やかに適切な対応を行うことといたしました。今回の3ヵ所の用地の調査についても、その一環として、過去の土地履歴を踏まえて実施したものです。

  3. 3.調査結果および周辺への影響について
    1. (1)土壌・地下水調査結果について
      用地 調査内容 調査結果
      竪町
      (小倉北区)
      土壌 一部区画から、土壌汚染対策法の基準を上回る3種類の特定有害物質(シアン、鉛、ふっ素)が検出されました。
      水質 敷地内に設置した調査井戸からは、地下水の環境基準を上回る有害物質は検出されませんでした。
      北浜
      (若松区)
      土壌 一部区画から、土壌汚染対策法の基準を上回る3種類の特定有害物質(ベンゼン、シアン、ふっ素)が検出されました。
      水質 敷地内に設置した調査井戸の一部から、地下水の環境基準を上回る2種類の有害物質(ベンゼン、シアン)が検出されました。
      葛葉
      (門司区)
      土壌 一部区画から、土壌汚染対策法の基準を上回る3種類の特定有害物質(シアン、鉛、ふっ素)が検出されました。
      水質 敷地内に設置した調査井戸の一部から、地下水の環境基準を上回る1種類の有害物質(シアン)が検出されました。
    2. (2)周辺への影響について

      当該3ヵ所の用地のうち、小倉北区竪町と若松区北浜については、アスファルトや健全土で地表面を覆っており、周辺への土壌飛散による健康被害はないものと考えております。門司区葛葉については、従来から弊社関係者以外は立ち入り禁止としておりますが、今回の調査で鉛含有量が基準超過していることが判明した部分については、念のために周辺への土壌飛散防止対策を既に実施しております。 また、弊社からの報告後、北九州市が、当該3ヶ所の近隣の井戸の水質調査を実施された結果、環境基準を上回る有害物質の検出はなかったとのご報告をいただいております。
      このようなことから、健康被害など、周辺の生活環境への影響はないと考えております。

  4. 4.特定有害物質が発生した推定原因

    当該3用地において石炭を原料とする都市ガスを製造していた時代に、都市ガスの製造工程で微量のベンゼン・シアン等の物質が生じていたことが考えられます。操業時期が古いため、正確に原因を特定することは困難ですが、装置の損傷等による漏洩があり、土壌に浸透したものと推定されます。
    なお、当該3用地については、昭和30年代半ばまでに都市ガス製造工場を廃止(※)していることから、新たな有害物質の発生はありません。

    ※各工場の廃止年…小倉北区竪町:昭和35年、若松区北浜:同36年、門司区葛葉:同20年

  5. 5.対策の概要

    汚染土壌の掘削除去、不溶化、地下水のモニタリング等、北九州市からご指導をいただきながら、適切な対策を速やかに実施する予定です。

    <対策工事における周辺環境保全対策>
    (1)汚染土壌の対策工事実施にあたっては、粉塵の飛散や汚染土壌が敷地外に出ないように行ってまいります
    (2)工事中に発生する排水については、適切に処理を行ってまいります
    (3)工事に伴う騒音・振動等による周辺への影響を極力少なくするよう、工法・使用機械の選定に配慮してまいります
  6. 6.お客さまからの問い合わせ先

    環境保全プロジェクトチーム(西部ガス 北九州支社総務部内)

    ◎電話
    (093)591-6600
    ◎受付時間
    9:00 〜 17:30(土日祝を除く)

  7. ■各用地の土地概要、詳細な調査結果、対策内容などについては、次の資料をご参照願います

    ◎資料1(小倉北区竪町用地)
    ◎資料2(若松区北浜用地)
    ◎資料3(門司区葛葉用地)

以上