「数字」と「心」で、現場を描く。 / 設計士 櫻木 希 /キューハイテック株式会社 福岡

01お客さまの100%へ向かって

彼女の描くたった一本の線から、ガスの暮らしがはじまっていく。現在、設計士として活躍する櫻木さん。ガス配管の設計、積算などはもちろん、営業も兼務。住宅で使う家庭用燃料電池エネファーム、高効率給湯器エコジョーズなどのガス機器設置や、IHクッキングヒーターからガスビルトインコンロへの切替、ファンヒーター用のガス栓増設に至るまで、お客さまからのあらゆる要望に、一から応えていく仕事だ。設置するガス機器のスペックから建物に必要なガス流量を算出、それに見合ったガス管径などを設定しCADで細かく配管図を描いていく。

特に既築住宅は難しいと語る櫻木さん。工期も短く、既存の建物には一度ガス配管用の穴を開ければ元には戻せない。やり直せば、当然コストが上がってしまう。コストを抑えながらも、お客さまのご要望に100%応えられる努力が必要だという。

02頭の中の現場とのリンク

そんな櫻木さんも、学生時代は福祉分野を学んでいたため、入社当初はガス工事の知識もなく苦労が多かった。描くテクニックは学べても、図面から現場をイメージすることができなかったという。

「極論、設計士は図面上のどこにでも線を引くことはできます。しかし実際に建物がどんどん出来上がっていく工事過程では、机上では可能に見えても、物理的にガス管を通すことが不可能な場合もあるので、自分のイメージと現場状況をリンクさせることが求められます」と話す櫻木さん。

工程を想像し、現場で確認し、着実に進めることが理想だが、莫大な作業工程の一つ一つを現場確認していては、作図の進行は遅れてしまう。現場を頭で描きながら効率的に進めるスキルが必要だという。

03「正確さ」+「思いやり」

そんな櫻木さんが大切にしていることは「正確さ」と「思いやり」。営業や設計の仕事はしっかりと数字で説明し、分かりやすく伝えることが求められる世界。しかし、テクニカルな知識に加えて、相手の気持ちを考えながら取り組むことも大事。人と人が仕事をする上では「思いやり」も不可欠だと考えている。

元々、人と話すことが好きだという櫻木さん。「営業員として現場に出ると、工事士たちとの会話を欠かさない。自分にはない多様な価値観を知り、受けた刺激を成長材料にできることが、この仕事のやりがいだ」と話す。

04支えてくれた経験が今のお手本

「この会社に入ってよかったと思うことは、一人一人のつながりが強く、個々の考え方に触れられること。特に先輩方の人生を教訓に、一人の人間として刺激をもらいながら、自己成長できる場所だと思っています」。

さらに、櫻木さんは入社当初に支えてくれた先輩の話をしてくれた。ガス工事は職人気質で、できることが当たり前の世界。最初は何もできない自分をイヤというほど突きつけられた。そんな時にいつも支えてくれたのが、ある女性の先輩だったという。

「私のできない部分よりも、少しずつできるようになった私をしっかりと見守り、支えてくれました。その先輩のおかげで、この仕事を続けられていると思います」。その先輩の接し方が、今の櫻木さんのコミュニケーションの手本となっている。

そんな多忙な日々の櫻木さんも、休日は友達との買い物やご飯を食べてリフレッシュ。学生時代にテニス部に所属していた経験から、たまにはテニスで汗を流すとか。

05ハード・ソフトを備えたガスパーソンへ

最後にこれからの目標を聞いてみると、「現場も含め、多くの人から『使える人』だと思ってもらえる存在になりたいです。知識はもちろん、数字にも強く、周りへの心遣い、気配り、思いやりもしっかりと持てる。ハード面、ソフト面も兼ね備えた人になりたいと思っています」。

近い未来、櫻木さんのような女性をお手本とするガスパーソンたちが、現場を支えていくのかもしれない。

PRIVATE

  • 壱岐市辰ノ島(左)

  • 壱岐対馬へ女子旅(中央)

PAGE TOP