チームのために、現場を駆ける。 / 設計士・工事士 玉置 麻美 / 西部ガス設備工業株式会社 福岡

01父が勧めてくれた道

女性の設計士・営業員として、百戦錬磨の工事士たちに混じり現場で奮闘する玉置さん。現在は、一般の戸建住宅から商業テナントの厨房まで担当し、幅広く活躍している。営業も行いながら、設計士として図面を作製し、工事士へ依頼。時には自ら工事を行うこともある。そして、現場管理も行う。常時40〜50件の現場が同時進行する中、頭と体をフル回転させながら各現場を飛び回っている。

「この仕事のきっかけは父親です」と話す玉置さん。小さい頃から建築設備の仕事を行う父の姿を何気なく見て育ったが、将来に悩んでいた時に勧めてくれた道だという。

02「教えてくれる」と気付いた日

「スジカイ?オオビキ?」 入社当初は打ち合わせでの建築用語も全く分からなかった。先輩たちは教わるよりも、早く現場に慣れろという方針。設計士の先輩よりも担当現場の工事士から教わったことが多く、同じ失敗を繰り返さないように必死に喰らいついた。現場や周りの人たちは確かに厳しかったが、自分を想ってくれているのが伝わってきたという。

「叱られたと感じたことも、実は教えてくれているのか!」とある日気付いたと話す玉置さん。たとえ失敗しても、その後になぜ間違ったのか、いつも教えを請いに現場に向かった。答えの多くはいつも現場にあるからだった。

03全ての答えは現場にある

図面のない既存建物の場合、実際のガス配管がどこに通っているか解体しないと分からないため配管を”読む”スキルも求められる。経験豊富な工事士は、見える情報を最大限に生かしながら配管をズバリと読み解いていく。
「現場の人に比べて、失敗した数が違うなと肌で感じました。それは熟練の工事士でも同じこと。場数を踏まないとわからないのがこの仕事です」と語る玉置さん。仕事に対する考え方が大きく変わる時期があったと話す。

「20代の頃は、ラクしたいという甘さが私のどこかにありました。余裕もなく、仕事をこなすのが精一杯。現場が早く終われば良いと思っていました」。

意識が変わったのは30代になってから。当時、勤める会社が複数の工事会社と合併。別会社だった人と一緒に働くようになり、改めて自分のレベルの低さを痛感したという。「このままじゃいけない」。玉置さんにとって、大きな転機だった。

04仕事の「熱」を伝えること

「私がいくら図面を描いても、工事は完了しません。暑い日も、寒い日も、現場ではみんなが頑張っている。失敗しても上司が支えてくれる。一人じゃ何もできないと強く感じるようになりました」。

どうすれば工事をスムーズにできるか、そんな工事士視点を持つようになると、打ち合わせも自然と密になっていったという。仕事に取り組む気持ちの変化によって、仕事も少しずつ良い方向に変わっていったという。玉置さんの熱が、現場に徐々に伝わるようになった。現場を想い、図面を描いていく。その想いを感じた工事士が、今度はしっかりとカタチに仕上げてくれる。ガスの流れと同じように、仲間の気持ちも流れるように繋がっていった。

「私の図面を元に、みんなが一生懸命つくり上げてくれる。現場の人やサポートしてくれる仲間の頑張る姿から、仕事の姿勢や生き方そのものを教わっている気がします。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。多くの人と出会えることがこの仕事の魅力の一つ。たくさんの人とのつながりを大切にしています」。

05一歩一歩、着実に

社内のチームワークも良く、力をもらっているという玉置さんに、今後の目標を伺った。 「入社して約20年が経ちますが、まだまだ分からないことばかり。今の目標は自分のスキルをもっと上げて、より良い提案を行っていくこと。そうすれば周りの方の仕事がやりやすくなる。これからも一歩一歩確実に成長したいです」。

仲間との絆を大切に想う、強く優しきガスパーソンが、今日も多くの現場を動かしている。

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