九州 老舗名店探訪
珈琲 冨士男
ノスタルジックな喫茶空間

▲店の扉を開けると、クラシカルな空間が広がる 戦後から愛され続ける店
小説の一節にも登場
長崎を代表する純喫茶の一つ「珈琲 冨士男」。店名は、創業者・吉田藤雄(よしだふじお)さんの名前から付けられました。現在は、創業者の甥である川村達正(かわむらたつまさ)さんが2代目として切り盛りしています。
創業は、終戦翌年の1946(昭和21)年。戦後の混乱期の中、小料理屋のような業態で営業を始めました。その後すぐに、当時は珍しかったというコーヒーに着目。店で提供すると大きな反響があり、高価だったにもかかわらず、連日長蛇の列で大繁盛。昭和30年代には支店も構え、1日500人が訪れることもあったそうです。昭和40年代より店を統合し、現在の場所に。「純喫茶」として愛され続けています。
長崎ゆかりの作家・遠藤周作著「砂の城」にも「珈琲 冨士男」が登場しています。
小説の中に「珈琲がおいしい」という一節があり、苦悩する主人公にひとときの休息を与えてくれる店として描かれています。

▲「サンドイッチセット(ドリンク付き)」890円(税込)古き良き時代を感じながら
コーヒーの香りに癒やされる
店舗が建てられた昭和40年代の趣が残る店内。重厚感漂う革張りの椅子ややさしい灯りをともすシャンデリアなど、内装はほぼ当時のままです。メニューは、コーヒーとサンドイッチがメイン。コーヒーは、複数の豆をそれぞれ最適な方法で焙煎してからブレンドする「アフターミックス製法」で味わいと香りを追及。柔らかい布製のフィルターを用いたネルドリップ方式で入れています。手間暇をかけて生まれる、こだわりの一杯。深煎りでもスッキリとしていて、雑味のないのが特徴です。


昔から変わらない味わい
手作りの出来たてサンドイッチ
サンドイッチで特に人気なのは、「エッグサンドセット」です。注文を受けてから一つ一つ丁寧に焼き上げる卵焼きは、温かくふわふわ。別名「しあわせの黄色いサンドイッチ」と称されています。旬のフルーツと生クリームをサンドした「フルーツサンドセット」は、程よい甘さのクリームがフルーツの酸味と相性抜群。「ミルクセーキ」は飲むのではなく、スプーンですくって食べるのが長崎流。シャリシャリとした食感で、ミルキーな味わいが魅力です。
創業から今年で79年。創業当時は学生だったお客さまが、子どもや孫を連れて来店することも多いそうです。観光客にも人気で、平日でも行列ができるほど。
「おいしいコーヒーを入れて、サンドイッチを提供する。それが私の使命です」。その思いを胸に、川村さんは今日も店に立ち続けるのです。

珈琲 冨士男
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住所
長崎県長崎市鍛冶屋町2-12
[ GoogleMap ] - 電話
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営業時間
9:30〜17:00(LO16:30)
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定休日
木曜、年末年始
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アクセス
路面電車「思案橋」駅より徒歩約2分
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