九州 老舗名店探訪
仏蘭西家庭料理 花むら
福岡に広め、愛され続けるお店

▲ゆっくりと食事が楽しめる、落ち着いた雰囲気国内外の名ホテルで腕を磨き
半世紀以上前に店をオープン
お店の誕生は、福岡にまだフランス料理のレストランがほとんどなかった1968(昭和43)年。オーナーシェフ・浅香直哉(あさかなおや)さんは、当時25歳。82歳となった今も、現役のフレンチシェフとして腕を振るっています。
高校生の時は、大学付属のスポーツ強豪校でバスケット選手として日々練習を重ねていたという浅香さん。進路として選んだのは、大学ではなく、手に職をつけるという道でした。卒業後、博多帝国ホテルに就職して鍋洗いからスタート。誰よりも早く来てオムレツを作る練習を繰り返すなど、陰で努力を重ねたといいます。「スポーツでレギュラーを獲得することも、一人前のコックになることも、私にとっては同じだったんです。どちらも人より多く練習すれば、その分うまくなれる」と語ります。

鍋洗いから皿洗いを経て、サラダやマッシュポテトの裏ごしなど下ごしらえを担当。徐々に調理を任されるようになりました。その後、赤坂プリンスホテル、熊本ホテルキャッスルで経験を積み、海外で本場の料理を学びたいとカナダへ渡航。現地でチャンスをつかみ、トロントで最高級といわれるロイヤルヨークホテルに入社。3年後に帰国して、自身のお店を福岡に構えました。
福岡市中央区一本木で開いた「レストラン・シャンブル」を皮切りに、警固や赤坂などに移転。その後、店名を「花むら」に変更し、1986(昭和61)年より舞鶴で営業しています。

▲前菜の「キッシュとサラダ」 前菜からデザートまで選べる
コースがおすすめ
お店で楽しめるのは、フランスの家庭料理。アラカルトでも注文できますが、コースがお得です。おすすめは、前菜・スープ・メイン・デザートをそれぞれ選べて、パンとコーヒーも付く「プリフィクス(選べるコース)」(税込5,000円)。
前菜は、「キッシュとサラダ」「エスカルゴの殻焼き」「スモークサーモンのオレンジトマトソース」など、8種から選べます。人気のキッシュは、ベーコンやキノコ、玉ネギが定番具材。スイスの伝統的なチーズであるグリュイエールチーズと生クリームをふんだんに使い、ふわふわで軽やかな口当たりです。今ではよく知られるメニューとなったキッシュですが、福岡で初めて提供したのはこのお店といわれています。

スープは、「オニオングラタンスープ」と「本日のスープ」を用意。白石町(佐賀)産など九州の玉ネギで作るオニオングラタンスープにも、たっぷりのグリュイエールチーズが使われています。大切なのは、玉ネギの切り方、炒め方、チーズの選定。全てがそろってこそ、おいしいオニオングラタンスープが出来上がるそうです。

メインは、牛肉や鴨、チキン、ホタテ、魚料理など8種。人気が高い「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」は、小麦粉や水を一切加えず、赤ワインと野菜だけで煮込むのが花むら流。リピートするファンも多い、至極の一皿です。
デザートは、「チョコレートフォンダン」や「クリームブリュレ ラベンダー風味」など。スイーツの代わりに「ブルーチーズのオイル漬け」、「食後酒(マールorカルバドス)」も選べます。
コースは、プリフィクスの他に、「シェフのおまかせコース」(税込7,000円)もあります。
高価なイメージだったフランス料理を、創業してから一貫して手の届く価格でお客さまに提供してきた花むら。「店は、レストランよりも“食堂”をイメージしています。普段着で気軽に来てください。」と笑顔で話す浅香さん。
特別な日も、何げない日常も、肩肘張らずに訪れることができるお店です。街中にいることさえ忘れてしまいそうな、喧騒と切り離された空間も魅力。半世紀前も、そして今もなお、お店の扉を開けると、そこには幸せな時間が待っています。

仏蘭西家庭料理 花むら
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住所
福岡市中央区舞鶴1-3-31
ハイラーク舞鶴1F奥
[ GoogleMap ] - 電話
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営業時間
18:00~21:00(LO20:30)
※要予約 -
定休日
日曜、年末年始
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アクセス
福岡市地下鉄「赤坂」駅より徒歩約4分
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