〈日本の薬膳〉食材図鑑 File10
日本の健康モデル食といわれる、日本型薬膳。旬のパワーを活かし、病気にかかりにくい身体づくりをめざす食材を図鑑形式でお届けします。
【柿】| persimmon |[学名]Diospyros kaki|

[主な産地]和歌山、奈良、福岡など
[旬の時期]9月、10月、11月
選び方
新鮮で、重量感があり、光沢や色沢が一様でむらのないものが美味しい柿です。
◎「柿が色づくと医者が青くなる」という諺がありますが、柿にはビタミンCが柿100g中に70mgと豊富に含まれ、果肉の色になっているカロテンやクリプトキサンチンも豊富に含まれ、柿100g中のβ−カロテン当量は420μgです。これらにより、抵抗力が高まり風邪の予防が期待されます。
また、エネルギーは柿100g当たり60kcalです。柿は実だけでなく、葉にも多くのビタミンCを含んでいます。
◎古代中国では柿は身体を冷やす食材と考えられてきました。日本人の研究によって柿を摂取すると、手足の体表温度を下げることが科学的に実証されています。
◎柿にはカキタンニンというポリフェノールが含まれており、活性酸素を消去する抗酸化作用があります。また抗ノロウイルス作用もあるため、カキタンニンは食品産業で活躍しています。
栄養素・成分
食品成分表/甘がき・生(可食部100gあたり)
●エネルギー …… 60kcal
●水分 …… 83.1g
●たんぱく質 …… 0.4g
●炭水化物 …… 15.9g
●カリウム …… 170mg
●リン …… 14mg
●マンガン …… 0.50mg
●ビタミンA(β−カロテン当量) …… 420μg
●ビタミンB₁ …… 0.03mg
●ビタミンB₂ …… 0.02mg
●ナイアシン …… 0.3mg
●ビタミンB₆ …… 0.06mg
●ビタミンC …… 70mg
●食物繊維総量 …… 1.6g
参考資料:日本食品成分表2018(七訂)
監修/中村学園大学栄養科学部教授 三成由美、薬膳科学研究所所長 徳井教孝