博多雑煮とは?
焼きあご(飛魚)ベースのだしに、出世魚である”ぶり“、”勝男菜“とも書かれ、縁起がよい”かつお菜“、”丸餅“を入れるのが基本。「ぶりと一緒に鶏も入れる」「餅を焼く」など、そのほかの具材や調理法は家庭により異なるようですが、おしなべて具沢山なのが博多雑煮の特徴です。
〈 本日の先生 〉
やちよ只管 堤 康輔さん
京都の名宿「柊屋」で研鑽を積み、2018年に自店を開店。料理のみならず器、美術、書など、さまざまな芸術に対して造詣が深い。
材料(4人分)
【つゆ】
焼きあご …… 4尾
昆布 …… 8g程度(お好みで)
干し椎茸 …… 4個以上
水 …… 1200cc程度
塩 …… 小さじ1弱
薄口醤油 …… 大さじ1
【具材】
ぶり切り身 …… 4切(※今回はヒラスで代用)
かつお菜 …… 適量
里芋(冷凍物) …… 4個
人参 …… 5ミリ厚4個分の輪切り
大根 …… 1〜2cm幅を4個分の輪切り
丸餅 …… 4個
かまぼこ …… 適量
柚子皮 …… 適量
【下茹で用】
米の研ぎ汁 …… 適量
みりん …… 大さじ2弱
薄口醤油 …… 大さじ2弱
何といってもお雑煮はだしが命。今回は焼きあごに加え、昆布と干し椎茸も使用。前日から水につけておくだけと簡単。多めにとって、具材の下茹で用にも使う。 焼きあごと昆布のだしをとる
焼きあごと昆布は前の晩から800ccの水につけておき、翌朝200ccを具材の下茹で用に分ける。
干し椎茸のだしをとる
干し椎茸も400cc程度の水に前夜からつけておく。翌朝200ccを具材の下茹で用に分ける。 ※お雑煮に使う干し椎茸は4個だが、出汁をとるために少し多めに入れ、余った分は煮物などに使いたい
大根は1〜2cm程度の厚さに切り、米の研ぎ汁で串がすっと入る程度に下茹でしておく。その後、お雑煮用にとっただしを使い、根菜を下茹でする。ぶりは塩をふり、30分程度冷蔵庫に入れ、フライパンで焼く。
根菜を下茹でする
だしにみりんと薄口醤油を加え、大根、里芋(冷凍のまま入れる)、人参を下茹でする。
苦手な人はぶりの臭みをとる
ぶり独特の臭みは皮と血合いの部分が原因。苦手な人はフライパンか魚焼き器で両面を焼き、生臭さをとる。
かつお菜を準備しておく
かつお菜は軽く茹でて水気をしぼり、食べやすい大きさに切っておく。
前日からとっておいただしに火を入れ、調味をしてつゆを仕上げる。ぶりや椎茸も加えて、具材をひとつの鍋に。同時に丸餅も煮始めよう。 だしをじっくりと煮出す
焼きあごと昆布のだしに、干し椎茸のだしを合わせる。鍋の周りに小さな泡がつく70℃程度を保ちながら、30分程度かけてだしを煮出す。
だしを濾す
キッチンペーパーなどでだしを濾すと、黄金色の美しいだしが完成。
味をつけ、つゆを仕上げる
塩を加えてひと煮立ちさせ、最後に薄口醤油で香りをつける。
つゆに具材を入れる
根菜やぶり、椎茸を加えて具材をつゆの鍋に入れて煮る。具材に火が通ったところでもう一度、薄口醤油と塩で味を調整する。かつお菜は色が変わりやすいので、最後に盛り付ける。
丸餅を煮る
だしをとった後の昆布の上に丸餅をのせ、弱火で煮て柔らかくする。
さあ、最後の仕上げ。今回、盛り付けは写真で一挙見せ!博多雑煮はお餅が器につかないように、一番下に大根を敷く。だしは弱火で冷めないようにキープし、最後にそっと流し入れよう。
お雑煮は盛り付けの美しさも大切。素材に飾り切りを施せば、 仕上がりに大きな差がでる。いずれも驚くほど簡単。ぜひトライして!
①人参の皮をむき、3ミリ程度の輪切りにし、花型に抜く。点線どおりに2mm位の切り込みを入れる。 ②包丁の先端を花の中心部分に当てるような感じで置き、花びらを斜めに削ぐように切る。すべての花びらを同じように削ぐ。
①かまぼこは板に対して平行に、2〜3ミリの厚さに切る。 ②紅白が重なる部分を細切りにし、板の長さに対して半分に切る。くるりと結んで出来上がり!
①ゆずは縦半分に切り、ヘタ部分もカット。包丁で皮と身を剥がす。 ②皮の白い部分はえぐみが出るので、極力とる。徐々に薄くして平らにする。
③5ミリ程度残して、交互に切れ目を入れ、3本目にカット。繋がっているところを交差させ、松葉に見立てる。
やちよ只管(しかん)
四季折々の日本料理を五感を通して楽しませてくれる。料理人の美しい所作を眺められるカウンターが特等席だ。
福岡市博多区千代4-30-8-1F
TEL.092-645-0007
営業時間.12:00〜15:00(13:00LO)、17:00〜24:00(21:00LO)※完全予約制
店休日.不定休 昼夜ともに11,000円〜(サ別)
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※表示価格は税込です。(2019年11月現在の価格です。)
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