テリーヌ以外にもいろいろな型を活用!
テリーヌ型を使う料理が「テリーヌ」ですが、これがないと作れないというわけではありません。例えば、パウンドケーキ型やプリン型、お茶碗などを利用したり、ラップやクッキングシートなどを用いて作ることも可能。テリーヌ型がなくても、ちゃんとテリーヌやパテができるので、ご家庭で気軽にパテやテリーヌ作りに挑戦してみてください。冷やし固めるならラップ、蒸し焼きにするならクッキングシートやアルミホイルがおすすめ |
ステンレス製のものだけでなく、冷やし固めるものならガラスの器をそのまま使っても◎ |
ギリシャ時代に生まれた「シャルキュトリ」
「シャルキュトリ」とは、肉の保存性を高めるために、燻製、塩漬け、乾燥などの技術により生まれたハムやソーセージ、サラミ、パテなど、食肉加工品のことです。古代ギリシャ時代から続く長い歴史を持ち、フランスでは15世紀に「シャルキュティエ」と呼ばれる専門職も誕生。ワインやチーズと同様にフランス各地で風土に合わせた様々なシャルキュトリが作られてきました。原料はおもに豚肉ですが、鴨やジビエなどが使われることも。今回取り上げる「パテ・ド・カンパーニュ」もシャルキュトリの代表的なメニューのひとつです。「シャルキュトリ」という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、日本でも自家製ハムやソーセージ、パテなどを作る店やレストランは増えつつあります。美味しさだけでなく、日持ちがして見映えがよく、複雑な調理なしでテーブルを気軽に華やかにしてくれ、お酒に合わせやすいのも、シャルキュトリの魅力です。
「パテ」と「テリーヌ」、何が違うの?
「パテ」と「テリーヌ」、見た目はほとんど同じですが、いったい何が違うのでしょう?パテとはパイ生地(パート)というフランス語が語源で、もともと肉や内臓をパイ生地で包んで焼いたもの。しかし、近年では“練り物”のイメージが強くなりました。一方、テリーヌは「陶器や琺瑯(ほうろう)の容器」のこと。この型に入れて調理されたものをテリーヌと呼びます。つまり「パテ」は料理の名前、「テリーヌ」は容器の名前なのです。
また、ワインバーやビストロなどでよく見かける「リエット」も見た目はパテやテリーヌと似ていますが、「パテ」が“蒸し焼き”にするのに対し、リエットは材料を“煮た後にペースト状にする”と調理法が異なります。
〈パテ〉
〈テリーヌ〉
〈リエット〉
リエットは本来豚肉で作られていましたが、最近は鶏や魚のものも人気
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