〈日本の薬膳〉食材図鑑 File15


日本の健康モデル食といわれる、日本型薬膳。旬のパワーを活かし、病気にかかりにくい身体づくりをめざす食材を図鑑形式でお届けします。

【かぼちゃ】| pumpkin |[学名]Cucurbita moschata |

[分類]ウリ科カボチャ属
[主な産地]宮崎、千葉、神奈川など
[旬の時期]5月、6月、7月、8月、9月



選び方


美味しいかぼちゃは、持ってずっしりと重たく(目安1個1kg程度)、上皮が固いもので、種子が詰まって黄色が濃いものが良質です。へたの周りがくぼみ、枯れているものは完熟している証拠です。
◎東洋かぼちゃは16世紀にポルトガル人がカンボジアから九州に持ち込んだと言われています。かぼちゃは黄色い色素カロテンが豊富で、油脂と調理して食べると吸収がよくなります。カロテンは肌や粘膜を丈夫にして、感染症に対する抵抗力をつけるため、冬至にたべると風邪を引かないといわれてきました。夏のかぼちゃは保存が効き、昔から冬の大事な食品とされてきました。

◎かぼちゃは、α−カロテン、β−カロテン、ルテインなどの抗酸化成分を含み生活習慣病の予防に期待されます。夏に収穫したかぼちゃを冬至まで貯蔵すると抗酸化成分が増加することが報告されています。

栄養素・成分


食品成分表(可食部100gあたり)
*日本かぼちゃ果実・生(100gあたり)
●エネルギー・・・49kcal
●たんぱく質・・・1.6g
●炭水化物・・・10.9g
●カリウム・・・400mg
●カルシウム・・・20mg
●マグネシウム・・・15mg
●鉄・・・0.5mg
●ビタミンA(β−カロテン当量)・・・730μg
●ビタミンE・・・1.8mg
●ビタミンB1・・・0.07mg
●ビタミンB6・・・0.12mg
●ビタミンC・・・16mg
●食物繊維総量・・・2.8g
日本食品成分表2018(七訂)

監修/中村学園大学栄養科学部教授 三成由美、薬膳科学研究所所長 徳井教孝