家庭でも、店でも。みんなに愛される韓国の国民食「キンパ」
キンパの起源は諸説あります。ひとつは、韓国では古くから穀物を野菜や海苔などで包んで食べることが“福を包む”ようで縁起が良いとされ、1年の豊作と健康を祈って正月に五穀を海苔や野菜で包む「ポクサム(福裏)」という料理を食べる風習に由来するという説。おでんやとんかつのように日本から伝わったという説もあります。今日のようにゴマ油で味付けしたキンパは1970年頃から広がったそうです。栄養バランスや彩りもよく、持ち運べて手軽に食べられるので、忙しい現代人の生活にもマッチし、より支持されるようになったのでしょう。
韓国料理のレギュラー食材にんにく&唐辛子
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韓国料理に欠かせない食材といえば、にんにくと唐辛子。にんにくは韓国の誕生にまつわる神話にも登場するほど、古くから親しまれてきた食材です。韓国のにんにくの消費量は世界有数なのだとか。にんにくは、生の魚介や肉などの臭み消しとして効果的で、その独特の風味は料理のコク付けに。冬の気温がマイナス20℃になることもある韓国では、体を芯から温める寒さ対策としてもにんにくが使われているそうです。
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一方、唐辛子も韓国料理によく使われていますが、実は韓国に唐辛子が伝わったのは16世紀以降。殺菌力があるので防腐剤として使われるようになり、長期保存が可能に。唐辛子は韓国の食生活に大きな変化をもたらしました。また、にんにく同様、身体を温め、消化促進や食欲増進の効果も。今や、韓国料理にとって、にんにくと唐辛子はなくてはならない存在なのです。
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韓国ではなぜ誕生日にわかめスープを食べるの?
そもそも、韓国では出産後の女性がすぐにわかめスープ「ミヨックッ」を食べる習慣があります。カルシウムやヨード、鉄分が豊富なわかめは、出産後の弱った体を回復するとともに、母乳の出がよくなり、赤ちゃんにも栄養が届くと考えられているのです。出産時に食べるわかめスープを誕生日に飲むことで、子どもは自分を生んでくれた母親に感謝し、親は子どもの成長を祝うという意味が込められています。一方、わかめはつるつるして滑りやすいことから、受験生がいる家庭では縁起が悪いとされ、その年は作らないという家庭も多いそうです。
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