今号より「&研究室」では「お風呂」を題材に、明日からの暮らしに役立てたくなる情報を4回にわたってお届けします。今回は〝ながら美容〟と題し、いつものバスタイムに取り入れたい、美のメソッドをご紹介。シャワーの使い方をはじめ、入浴中のマッサージやダイエットに有効な入浴方法など、お風呂と美の関係性を研究します。

すきま時間を有効活用 浴室で賢く美容タイム

 この時期は蒸し暑さからお風呂にかける時間が短くなりがち。しかし、お風呂本来の目的“肌を清潔に保つ”には、夏こそ必要不可欠な時間です。そこで、暑い時期でもバスタイムに取り入れやすい、手軽で効果的なシャワーの使い方を研究します。使う水の温度と使う時間をコントロールすれば、いつものお風呂が美容タイムに早変わりです。


シャワーを浴びながら美容


動水圧といわれるシャワーの水圧や水の温度を活用し、さまざまな悩みに効果的な使い方を提案。普段の浴槽浴にプラスしてみましょう。





肩こりには全身浴が有効とされていますが、「暑い日にはチョット…」という方に朗報。おすすめは、20分の半身浴(38℃)にプラスして、42℃のシャワーを首の付け根から背中にかけて3分間当てること。筋肉の張りが軽減され、コリが和らぎます。





とくに夏場に気になる体臭には、体の汚れを落とすことに加えて、皮脂量をコントロールすることが大切。そこでおすすめしたいのが、41℃の1分間の朝シャワー。体臭の原因の一つとなる皮脂の量を抑える効果が期待できます。1分間という手軽さも忙しい現代人にぴったり。






「目がかすむ」「ピントが合わない」など、パソコンやスマホの使用などで目の疲れを感じた後に有効なのが、目元への熱めのシャワー。目を閉じた状態で片目ずつ3分間当てることで、お湯の温熱作用により、視力の早期回復が期待できます。ただし、目が傷むのを防ぐため、まぶたに強いシャワーが当たらないように注意しましょう。





夏でもお腹周りは意外と冷えているもの。そこで仙骨(お尻の割れ目の上)から腰へ、やや熱いと感じる湯加減のシャワーを30秒ほど当てると、子宮など内臓の血流を促し、働きを活発にしてくれます。温度を少しずつ上げて当てるのも効果的です。





42℃で1分、25℃(冷たいと感じる温度でOK)で10秒、交互に3回ほど(最後は温水を)繰り返してかけることで、血管のもつ本来のポンプ作用を促進させ、血流を促します。よって、むくみの原因である老廃物を含んだ水分を排出する効果も。露出が多くなるこの時期は、特にケアしたい部分です。

教えてくれたのは…
東京都市大学人間科学部教授
温泉療法専門医 早坂 信哉さん
医学分野の研究結果等をもとに、お風呂、温泉の正しい情報を発信。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』など