〈日本の薬膳〉食材図鑑 File18


日本の健康モデル食といわれる、日本型薬膳。旬のパワーを活かし、病気にかかりにくい身体づくりをめざす食材を図鑑形式でお届けします。

【イチジク】| fig |[学名]Ficus carica |
[分類]クワ科イチジク属
[主な産地]愛知、和歌山、福岡など
[旬の時期]6月、7月、8月、9月、10月

調理法


糖度が高くペクチンを含んでいるので、ジャムに適しています。砂糖、レモン汁を加えて加熱すると、果肉の色が冴えて、見た目にも鮮やか。果実を食べるときには、切り口から乳白色の液がでますが、タンパク質分解酵素のフィシンも含まれており、皮膚のやわらかい唇につけないように気をつけましょう。特に子どもには注意してください。

選び方


美味しいイチジクは、張りと弾力、みずみずしさがあり、へたの近くまで熟したもの。ふっくらと大きく全体的に色がつき、甘い香りがあります。

◎血清コレステロールや血糖を低下する作用があるといわれる、水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれています。リンゴやイチゴなどに多く含まれていますが、含有量はイチジクの方が勝っています。

◎原産地はアラビア半島の南部。日本には17世紀にポルトガル人により伝わって来たといわれます。漢字で無花果と書くのは、花托の内側に多数の小花をつけ、花が外から見えないまま実がなるからです。

栄養素・成分


食品成分表(可食部100gあたり)
*いちじく果実・生(可食部100g)
●エネルギー・・・57kcal
●カリウム・・・170mg
●カルシウム・・・26mg
●マグネシウム・・・14mg
●食物繊維・・・1.9g
日本食品成分表2021(八訂)

監修/中村学園大学栄養科学部教授 三成由美、薬膳科学研究所所長 徳井教孝