さまざまな安眠法

&研究室〈免疫力アップ大作戦〉睡眠力②

さまざまな安眠法


体と心をメンテナンスしながら、免疫力をアップできる睡眠。
寝る前の生活習慣を見直すだけで、その質がぐんと向上します。


夕食から就寝までの時間をいかに過ごすかが、睡眠の質向上を左右します。
「夕食の時間を早くして、就寝1時間前にスマートフォンから離れるだけでも効果ありです」(小林先生)

眠る1時間前にはスマホを手放す
特にスマートフォン、パソコン、ゲーム機器などから強く発せられるブルーライトは睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を抑制する。交感神経が優位になり、脳が昼間だと勘違いして不眠の原因になるほか、疲労回復にも悪影響を与える。

寝る3時間前までに夕食を
食事の後、すぐに寝てしまうと、内臓が休息する時間が短くなるため眠りが浅く、疲れがとれにくくなる。量も腹6分程度にするのが理想的。「どうしても帰宅から就寝までの時間が短くなる時は、消化のよいものを少量とるなどの工夫をしましょう」(小林先生)。

冬は室温を16~19度に温めておく
暖かいリビングから寒い寝室に移ると、交感神経が活性化して急に目が覚めてしまうことも。あらかじめ寝室の温度を16~19度にしておこう。また、湿度も加湿器などを使い、人が快適に眠れるといわれている50%前後に調整したい。

首回りをほぐして副交感神経の働きを高める
副交感神経は心拍数や呼吸を穏やかし、就寝時に優位に働く。首には副交感神経が集中し、太い血管も走っているので、就寝前に首回りを温めたり、ほぐすことで、リラックスできる。「温かいタオルなどを当てると良いでしょう」(小林先生)。

自分に合った寝具を選ぶ
体温調整がうまくできていることも大切。シーツやカバーなどは就寝中の発汗や温度変化に対応した素材のものにしよう。また、枕の高さや硬さ、敷き寝具の硬さなどが自分に合っているかも大切なので、見直してみるのも手。

ぬるめのお風呂にゆっくり入る
就寝1~2時間前に38~40度程度のお風呂にゆっくり浸かると副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まって眠りに入りやすくなる。「入眠の直前に熱いお風呂に入ると逆効果になるので気をつけましょう」(小林先生)。

温かい飲み物で眠気を促す
白湯や生姜湯、カモミールティーなど、カフェインレスの温かい飲み物は内臓から体温を上昇させる。「人は体温が下がるときに自然な眠気がおきるので、寝る前に温かい飲み 物を飲むことは睡眠のリズムを作ります」(小林先生)。

深い呼吸法でリラックス
腹式呼吸は自律神経を刺激し、副交感神経をオンにしてくれる。お腹の中の空気をすべて出すイメージで、おへそが凹むまで鼻からゆっくり息を吐き、少しずつお腹に空気を送り込むように息を吸う深呼吸を繰り返してみよう。

夜は間接照明、朝は太陽の光を浴びる
目から入る光によって脳が体内時計を調整する。夜は就寝1~2時間前から暖色系の照明を使うと副交感神経が優位になり、眠気を誘う。また、朝目覚めたら太陽の光を浴びると、体内時計がオンになり、体が活動的になりやすくなる。

鎮静作用のある香りを取り入れる
五感の中で、最も快眠効果が出やすいのが嗅覚。嗅覚は睡眠に深く関係する脳の視床下部に直接刺激を与えることができる。「ラベンダーやカモミールなどの香りがいいと言われますが、好きな香りでいいと思いますよ」(小林先生)。


【あわせて読みたい】
良質な睡眠と免疫力
この記事は&and191号に掲載されています。

このカテゴリの関連記事

PageTop