菌トレで腸活

&研究室 免疫力アップ大作戦〈②〉

菌トレで腸活


外敵に負けない身体づくりに欠かせないのは「腸内環境を整えること」=「腸活」。
腸の声に耳を傾けて、自分に最適な腸活法を見つけましょう


腸内細菌のバランスは百人百様。「善玉菌が減る原因は加齢、ストレス、運動不足など様々ですが、食生活 の乱れは大きな要素。腸内環境が整うと、精神的にもいい効果がありますよ」(小林先生)

便を見て、腸の状態を知る
腸でつくられる便を観察すれば、腸内の状態を知ることができる。よい腸内環境でつくられる便は滑らかなバナナ状で匂いも強くない。色もやや黄色に近い茶色だが、腸内の滞在時間が長いと黒くなる。

同じ菌を1週間ほど 毎日摂り続けてみる
腸内細菌のバランスは人それぞれ。自分に必要な菌を取り入れるのが大切だ。「例えばヨーグルトなら、ひとつの商品 を1週間以上食べ続け、便通の様子を見てみると、その菌が自分に合うかどうかわかってきます」(小林先生)

毎日2 種類以上の 発酵食品を摂るようにする
腸には100兆個、1000種類の細菌が存在し、有害物質が体内に入らないようブロックしている。この種類が少なくなるとバリア機能が衰える。「菌の多様性は大切。毎日、最低2種類は発酵食品を摂取するようにしましょう」(小林先生)

抗生物質を飲んだ後は腸にいいものをたくさん採る
病原菌の撃退に欠かせない抗生物質。しかし、抗生物質は 腸内の菌までも死滅させてしまい、正常な状態を乱す要因になる。摂取する際は整腸剤も一緒に飲み、発酵食品や食 物繊維を豊富に含んだ食品を多く食べよう。

間食にはドライフルーツやガムを
善玉菌のエサとなるのが食物繊維。間食したいと思ったら、 食物繊維が多く含まれるドライフルーツがオススメだ。また、 ガムを噛むことも腸活によいと言われている。リラックス 効果が高まり、腸の動きがよくなる。

加齢とともに菌トレ強化を
「加齢とともに自律神経は乱れやすくなり、交感神経が優位になると、腸の働きも鈍化。図のように善玉菌が減ってくるんです」(小林先生)。便秘気味になってきたら薬に頼りすぎず、食生活を見直すようにしよう。

ランチメニューの偏りをなくす
忙しいと簡単にランチを済ましてしまいがちに。「毎日似 通ったメニューだと、腸内細菌の多様性が低下してしまうんです。おにぎりを選ぶ際は、味噌汁やひじきの煮物などの副菜をプラスするようにしましょう」(小林先生)

味噌汁は最強の腸活料理
味噌には善玉菌のエサとなる成分や、細胞の酸化を防ぐ大 豆イソフラボンなどが多く含まれている。また、具となる 野菜やきのこ類、海藻などは、免疫細胞の強化に大切な栄養素が豊富。毎日1杯飲む習慣をつけたい。

早食いはあらゆる面で NG !
よく噛むと副交感神経が優位になり、消化・吸収の働きが 活性化されるほか、満腹中枢も刺激され、食べ過ぎ防止・ 肥満防止にもつながる。「血糖値の上昇も穏やかになりいいこと尽くし。自然と免疫力も上がります」(小林先生)

腸内環境が整うと、幸福感もアップ
幸せを感じたり、心の安定を司るといわれているセロトニ ンやオキシトニンの大半は腸内でつくられている。つまり、腸内細菌のバランスがよく健康であれば、それらが脳に届くことで精神状態も安定しやすい。


【あわせて読みたい】
  腸内環境を整える
この記事は&and192号に掲載されています。

このカテゴリの関連記事

PageTop