〈日本の薬膳〉食材図鑑 File20
日本の健康モデル食といわれる、日本型薬膳。旬のパワーを活かし、病気にかかりにくい身体づくりをめざす食材を図鑑形式でお届けします。
【トマト】| Tomate |[学名]Lycopersicon esculentum |
[分類]ナス科ナス属
[主な産地]夏秋トマト(6月〜11月に収穫)
北海道、茨城、福島など
冬、春トマト(10月〜翌年6月に収穫)
[旬の時期]6月、7月、8月、9月
調理法
トマトはドライトマトとしても料理に用いられます。ドライトマトは、トマトを切って、軽く塩をして太陽で乾燥させたり、薄くスライスして低い温度のオーブンで乾燥させたりして作ります。甘味と酸味と苦味と旨味、そしてコクも出るので、料理の付け合わせに最高です。
選び方
新鮮なトマトはへたが緑色で果肉は赤みがあるものです。形は丸くて弾力性があり、皮につやがあり、見かけより重たいものがよいでしょう。
◎トマトの赤い色素はカロテンの1つであるリコピンです。赤みが強いトマトが含有量も高く、酸味はクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸です。
◎トマトには、リコピンが含まれています。リコピンは動脈硬化を抑えたり、骨密度の減少を抑制するため、女性には大変いい成分です。男性では現在増えている前立腺癌を予防することが期待されています。トマトをオリーブオイルと一緒に料理するとリコピンの吸収が高まります。
栄養素・成分
食品成分表(可食部100gあたり)
*赤色トマト果実・生(可食部100gあたり)
●エネルギー・・・20kcal
●炭水化物・・・4.7g
●ナトリウム・・・3mg
●カリウム・・・210mg
●マグネシウム・・・9mg
●リン・・・26mg
●ビタミンA(β−カロテン当量)・・・540μg
●ビタミンB₁・・・0.05mg
●ビタミンB₂・・・0.02mg
●ビタミンB₆・・・0.08mg
●葉酸・・・22μg
●ビタミンC・・・15mg
●食物繊維総量・・・1.0g
日本食品成分表2021(八訂)
監修/中村学園大学栄養科学部教授 三成由美、薬膳科学研究所所長 徳井教孝