みんなが大好きなメニューを紹介する「あっぱれ!国民食」。
今号から、世界に広めたい、後世に伝えたい九州のソウルフードを取り上げます。
第1回目のテーマは「麺料理」。
メニューが生まれた背景や移り変わりを交えながら福岡、熊本、大分から3つの麺をご紹介します。
家庭で上手につくるコツをプロが伝授してくれました。
別府冷麺は、「春香苑」の店主・木村知徳さんの大叔父が、戦後満州から別府に来て焼肉店「アリラン」を開業し、満州で食べた韓国冷麺を再現したのが始まりと言われています。
当時手に入るもので作ったので、麺にはそば粉や小麦粉を、つゆは鰹やいりこでだしを取っていたのが「別府流」となって今に受け継がれています。時を経て、別府冷麺もさまざまな変化を遂げ、現在では、太めのモチっとした麺を使う“専門店系”とツルツルとコシのある中細麺の“焼肉店系”と、大きく2系統に分けられます。
〈 教えてくれる先生 〉
木村知徳さん
春香苑の常務取締役。小さいころから冷麺を食べて育ったという木村さん。大叔父様の代から受け継がれたレシピを忠実に守り続ける。
春香苑(しゅんこうえん)
上質な肉がリーズナブルに味わえるとあって常に行列のできる人気焼肉店。冷麺は発祥店の味を受け継ぎ、注文が入ってから麺を打つなど、作りたての美味しさを提供している。
大分県別府市南立石1区4組-1
TEL.0977-24-3377
営業時間.11:00〜23:00(OS22:30)
定休日.不定休
※営業情報については、通常営業時の内容です。
店舗によって臨時休業、営業時間短縮など変更の場合がございますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
材料(1人前)
[スープ]
水 ……1L
昆布 ……10g
いりこ ……10g
かつお節 ……10g
【A】
醤油 ……15㏄
みりん ……15㏄
塩 ……10g
うま味調味料 ……適量
[具材]
麺 ……100g
大根 ……1/4本
塩 ……適量
【B】
砂糖 ……大さじ1
酢 ……大さじ1
醤油 ……大さじ1
粉唐辛子 ……適量
おろしニンニク ……少々
キュウリ ……1本
キムチ ……適量
青ネギ ……適量
ゆで卵 ……1/2個
ゴマ ……適量
チャーシュー(市販のもの) ……1枚
錦糸卵 ……適量
スイカ、さくらんぼなど好みのフルーツ ……適量
作り方
【1】
スープを作る。鍋に水、昆布を入れ中火にかける。沸騰したら昆布を取り出し、いりこを入れて5分ほど煮出す。いりこを取り出した後、かつお節を入れて1~2分煮立たせ、アクを取り、かつお節が沈んだらすくいあげる。調味料【A】を入れてひと煮たちさせる。スープをザルでこし、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れてよく冷やす。
【2】
大根のキムチとキュウリのキムチを作る。千切りした大根を塩もみした後、水気をよく切る。調味料【B】を半量加えて和える。スライスしたキュウリも大根と同じ手順・分量で和える。
【3】
たっぷりのお湯で麺を茹で、ザルにあげて水で冷やし、氷水につけてしめる。
「春香苑」ではそば粉、小麦粉、じゃがいもデンプンを配合した生地を打ち、特殊な機械で絞り出しています。
【4】
麺、キムチ、【2】のキムチ、チャーシューなどすべての具材を器に盛り、冷したスープを注いででき上がり。
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