店に入ったら携帯電話の着信音はマナーモードに

 カウンターで料理人を目の前にして食事をする。これは日本ではよく見かける風景ですが、海外ではほとんど見かけないスタイルです。お酒を楽しむバーやコーヒーショップならともかく、麺類などの軽い食事だけでなく、焼鳥、会席、フレンチ、イタリアンなどさまざまな料理を、お客さんの目の前で調理や盛り付けをし、お客さんと料理人が会話をしながら食事を楽しみます。これは日本特有の食のスタイルで、私自身もそんなカウンター席が大好きです。
 カウンター席は大体店のメインとなる位置にありますし、隣に知らない人が座る可能性も高い特別な席です。それはつまり、一つの大きなテーブルを相席していると考えてもよいでしょう。そう考えれば、テーブル席以上に他のお客さんの迷惑になるようなことはすべきではありません。声の大きさや会話の内容に注意するのはもちろん、匂いの強い香水、携帯電話の使用なども避けましょう。カウンターに限ったことではありませんが、携帯電話の着信音をマナーモードにしておくのは、映画館や劇場などだけでなくレストランでも最低限のマナーです。



傷をつけないよう指輪、カフスなどに注意

 またカウンターは店主にとって大切なもので、高級な材質で設えていることも少なくありません。それにそこには、そのお店が積み重ねてきた歴史によって、味がある色合いや質感になっているものも多いものです。そこに傷でもつけようものなら取り返しがつきません。ですから、大きな石のついた指輪やブレスレット、男性であればカフスなども要注意です。あるいは最近でしたらスマホのリング(スタンド)も形状によっては危険ですので、そういうお店ではカウンターにスマホは置かない方が無難です。
 普通に食事をしていれば傷がつくことなどありえないと思いがちですが、万一のとき、弁償すればすむというものでないことはおわかりでしょう。
弓削聞平(ゆげぶんぺい)
福岡のフリー編集者。ウェブマガジン「UMAGA」編集長(https://umaga.net)。「ソワニエ」の元編集長。「私、この店、大好きなんです。」「福岡オンリーワン レストラン&ショップ」等を出版。RKBラジオ「オトナビゲーションZ」に出演中。