九州発、世界に広めたい、後世に伝えたい、お国自慢のソウルフード。
今回は、時代に合わせて変化しながら、今日まで受け継がれ、親しまれている「鍋・汁料理」をご紹介します。 この冬はアツアツの郷土料理で温まりましょう。


だご汁の“だご”は“団子”がなまったもの。だご汁のように小麦粉を練った団子を汁に入れた料理は全国各地に郷土料理として存在し、「すいとん」「ほうとう」「ひっつみ」「だんご汁」などと呼ばれ、親しまれてきました。同じ汁料理とはいえ、団子の形状や出汁、味付け、具材は地域や家庭によって実にさまざま。
熊本では、手軽に作れて栄養価も高く、腹持ちもいいので、昔から農作業の合間にだご汁が食べられていたそうです。専門店も多く、からし蓮根やいきなり団子と並ぶ熊本の郷土料理のひとつとなっています。
〈 教えてくれる先生 〉
山本 八重子さん
「だご汁茶寮 ここのつ」女将。だご汁をはじめ、さまざまなおばんざいなど、母や妹とともに家庭の味を守り続ける。
だご汁茶寮
熊本県阿蘇の野菜を中心としたボリュームたっぷりのだご汁と豊富なおばんざいが楽しめるだご汁専門店。庭を眺める民家を改装した店内では、のんびりとした時間が過ごせる。
熊本県熊本市東区尾ノ上1-9-8
TEL.096-282-8155
営業時間.11:30〜15:00(OS14:30)
定休日.月曜
※営業情報については、通常営業時の内容です。
店舗によって臨時休業、営業時間短縮など変更の場合がございますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


材料(4人前)



[だご]
薄力粉 ……100g
水 ……40cc
塩 ……ひとつまみ
打ち粉用薄力粉 ……適量

[具材]
鶏もも肉スライス(できれば地鶏)……100g
大根 ……500g(1/2本)
ニンジン ……100g(小1本)
ゴボウ ……30g(1/5本)
シイタケ ……30g(3枚)
青菜(チンゲン菜や小松菜などその時期のものでOK) ……40g
白ネギ ……70g(1本)
カボチャ(里芋でも可) ……適量
水 ……1.2L
薄口醤油 ……80cc
みりん ……60cc
柚子こしょう ……お好みで

作り方


【1】
薄力粉に水と塩を加え、手の腹で15〜20分しっかりこねる。途中で手やだごに薄力粉をふりながら丸くまとめる。耳たぶくらいの柔らかさになったらラップをして冷蔵庫で一晩寝かせる。

【2】
シイタケと青菜は事前に茹でておく。カボチャはスライスして薄味に煮ておく(分量外)。
※参考分量:だし(200㏄)、砂糖(大さじ1/3)、醤油(大さじ1)
【3】
大根は幅5mm程度の半月切り、ニンジンは2〜3mmの輪切りもしくは半月切り、ゴボウは大きめの斜め薄切りにする。白ネギは輪切りにして水にさらした後、しぼる。

【4】
鍋に大根、ニンジン、ゴボウ、シイタケと鶏肉、水を入れて強火にかける。あくをとり、野菜に火が通ったら、薄口醤油とみりんを加える。

【5】
冷蔵庫からだごを出し、打ち粉をして、直径5cmくらいの棒状に伸ばす。軽く押さえて平たくし、1cm程度の幅に切り、手の腹で生地をつぶす。同時にだごを茹でるお湯を沸かしておく。
【6】
【5】を手に持ち、長さ15〜20cmに伸ばして茹でる。浮いてきたらざるにあげ、水で洗ってぬめりをとる。


【7】
お椀にだごと【4】の具材を入れ、汁をかける。カボチャと青菜、たっぷりの白ネギを盛り付けて出来上がり。お好みで柚子こしょうを加えていただく。




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