九州発、世界に広めたい、後世に伝えたい、お国自慢のソウルフード。
今回は、時代に合わせて変化しながら、今日まで受け継がれ、親しまれている「鍋・汁料理」をご紹介します。 この冬はアツアツの郷土料理で温まりましょう。
長崎県対馬の郷土料理「いりやき」は古くから伝わる鍋料理です。これは、冠婚葬祭などの人が集まる時に提供するおもてなし料理。海の近くでは獲れたての魚、内陸部では鶏肉を入れ、たっぷりの野菜とともにいただきます。「いりやき」という名前は、椿油で魚や肉を炒って鍋に入れていたことに由来するという説が有力です。ただし、「味処 千両」の浅野竜一郎さんによると、現在、その作り方はほとんど用いられていないのだとか。時代とともにレシピは変わりながらも、山海の幸で人をもてなす心は変わらずに受け継がれています。
〈 教えてくれる先生 〉
浅野竜一郎さん
地元で愛されてきた「味処 千両」の二代目主人。中華の名店として知られる「聘珍楼」で修業し、本格的な中華料理も手がける。
味処 千両
昭和60年創業。郷土料理をはじめ、和食、イタリアン、中華など様々なスタイルで対馬の美味を楽しめる食事処。鮮魚は魚種や部位に合わせて程良く寝かせ、旨味を引き出している。
長崎県対馬市厳原町大手橋1079
TEL.0920-52-4406
営業時間.11:00〜14:00(OS13:30)/17:00〜22:30(OS21:00)
定休日.不定休
※営業情報については、通常営業時の内容です。
店舗によって臨時休業、営業時間短縮など変更の場合がございますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
材料(2人前)
アカハタ(白身魚など) ……1尾分
大根 ……200g(5〜6cm幅程度)
ニンジン ……100g(1/2本)
ゴボウ ……50g(1/3本)
水菜 ……50g(1/5束)
玉ネギ ……50g(小1/2個)
エノキ ……1/2束
シイタケ ……1枚
白菜 ……200g(1/8玉)
こんにゃく ……100g
豆腐 ……半丁
素麺……2束
柚子こしょう ……お好みで
[スープ]
水 ……3L
昆布 ……1枚(10×15cm程度)
酒 ……50cc
【A】
砂糖 ……大さじ1
みりん ……50cc
薄口醤油 ……180cc
濃口醤油 ……小さじ1
作り方
【1】
鍋に水と昆布、酒を入れて弱火にかけ、だしをとる。昆布は沸騰直前に取り出し、火を止める。
【2】
大根、ニンジン、ゴボウは乱切りに、こんにゃくは食べやすい大きさにちぎり、下茹でする。
【3】
その他の具材も食べやすい大きさに切り、素麺も茹でておく。
【4】
ぶつ切りの魚に熱湯をかけて軽く水洗いし、残っているウロコをきれいに取る。
【5】
【1】の鍋を火にかけ、沸騰したら魚を入れ、アクをとる。魚に火が通ったら【A】を加える。
【6】
先に根菜類と玉ネギ、シイタケを鍋に入れ、その他の具材は後から加える。具材に火が通ったら器に取り、好みで柚子こしょうを加えていただく。具材を食べ終わったら、素麺で〆る。
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