〈日本の薬膳〉食材図鑑 File09


日本の健康モデル食といわれる、日本型薬膳。旬のパワーを活かし、病気にかかりにくい身体づくりをめざす食材を図鑑形式でお届けします。

【きくらげ】| Jew's Ear Fungus |[学名]Auricularia auricula-judae|
[分類]キクラゲ科キクラゲ属
[主な産地]鹿児島、宮崎、熊本など

調理法


調理する時はぬるま湯につけると7から10倍に増えます。石突を除き、必ず熱湯で加熱して食べるようにしましょう。

選び方


乾燥したものは肉厚で、硬く乾燥しているものがよいでしょう。
●キクラゲは春から秋にかけて、広葉樹のニワトコ、ケヤキなどの倒木や枯枝に発生します。主に、中国、日本、韓国などの東アジアで食用とされており、中医学を基本とした薬膳では不老長寿の妙薬として使用されてきました。一般的には乾燥したものが市場に出回っています。
 キクラゲ(乾燥)100g中のエネルギーは167kcalであり、ミネラルが豊富でカリウム1000mg、カルシウム310mg、マグネシウム210mg、鉄35.2mgを含有しています。また、カルシウムの吸収を促進するビタミンDは85.4μg含まれています。更に、食物繊維は54.7gと特に多く含まれており、中医学の薬膳では機能性の高い食材です。

栄養素・成分


食品成分表/きくらげ、乾(可食部100g中)
●エネルギー …… 167kcal
●カリウム …… 1000mg
●カルシウム …… 310mg
●マグネシウム …… 210mg
●リン …… 230mg
●鉄 …… 35.2mg
●ビタミンD …… 85.4μg
●ビタミンB₁ …… 0.19mg
●ビタミンB₂ …… 0.87mg
●ナイアシン …… 3.2mg
●ビタミンB₆ …… 0.10mg
●葉酸 …… 87μg
●食物繊維総量 …… 57.4g
参考資料:日本食品成分表2018(七訂)

監修/中村学園大学栄養科学部教授 三成由美、薬膳科学研究所所長 徳井教孝