常連になる楽しみを知る

 ネットやテレビ等で情報を得て、お店を開拓するのも楽しいのですが、なじみのお店を作ってそこに通うという楽しみも知ってもらいたいと思っています。やはり何度も通うとコミュニケーションが深まり、お店側もこちらの好みの料理や食べたり飲んだりするペース、あるいは趣味嗜好を知ってくださり、より楽しい時間を過ごすことができます。また、それがカウンターメインの小さな店であれば、他の常連と親しくなり、交友関係が広がったりしてとても有意義です。



他のお客さんを思いやる

 常連になるといろいろとわがままを聞いてくれたりもしますが、むしろ常連だからこそ気をつけるべきことがあります。まず、スタッフが忙しそうなときはさりげなく自分への料理やドリンクは後回しでいいということを伝えましょう。声高は無粋です。あくまでもさりげなくがポイントです。
 次に気をつけたいのはスタッフを独占しないということです。気心が知れているから、つい話し込んでしまいがちですが、他の方への接客を邪魔しないようにしましょう。先日、バーにいった時、常連さんが、他に一見(いちげん)さんらしきお客さんがいるにもかかわらず、ずっとスタッフを独占して話し込んでいました。もちろん、スタッフがうまくかわして、他のお客さんとも話をすべきなのですが、聞いていると話がとぎれず次から次に会話を投げかけているのです。その一見さんを横目で見てみると、話しかけたいけどタイミングがつかめないという空気が伝わってきます。これ、逆の立場を想像すれば、気持ちはわかるはずなんですけどね。
 そして極めつけのタブーは、他のお客さんがいるのにメニューに載っていない裏メニューを頼んだり、特別なサービスを要求することです。ちょっと考えればお店の方が困るのはわかりますよね。常連であればあるほど、お店のこと、他のお客さんのことを考えたふるまいが大切です。とはいっても、ケースバイケースではあるんですけどね。
弓削聞平(ゆげぶんぺい)
福岡とグルメをテーマにフリーの編集者として活動。「epi」「ソワニエ」の元編集長。個人事務所「聞平堂」では「私、この店、大好きなんです。」「気軽で楽しい町の寿司屋」等を発行。最新刊は「福岡オンリーワン レストラン&ショップ」。RKBラジオ「オトナビゲーション」に出演中。