アンドロゴ_トップページリンク アンドロゴ_トップページリンク 春号 No.197

2025.3
暮らしを彩る家仕事
今回のテーマ

春から始めるお弁当

新生活のスタートで、お弁当作りを始める方も多い時季。
手軽に作れて、おいしく見栄え良く仕上げるコツを教わりました。
ハニーマスタード弁当

お弁当の基礎知識

お弁当は時間がたってから食べるもの。
傷みや菌の繁殖を防ぐため、以下の点に注意しましょう。
  • お弁当箱や、まな板などの調理道具は清潔なものを使いましょう。
  • 生野菜は洗った後、しっかり水気を切りましょう。トマトやイチゴはヘタを取ってから洗います。
  • 調理に酢を使うと抗菌効果が期待できます。
  • 卵や肉、魚は中までしっかり火を通しましょう。
  • 汁気の多いおかずは漬け汁から取り出して数分置くなど、水分を切ってから入れましょう。
  • ご飯もおかずも完全に冷ましてからふたをしましょう。

1番ハニーマスタード チキン弁当

ハニーマスタードチキン弁当の図解
この日のおかず
  • …当日調理
  • …作り置き
  • …ひと手間
  • ①ハニーマスタードチキン

    鶏むね肉を焼いて
    ハニーマスタードソースを絡めました。

  • ②ラディッシュ

    生のラディッシュを薄くスライス。

  • ③切り干し大根の煮物(レシピあり)

    冷凍していた常備菜。前日の夜から解凍してお弁当へ。

  • ④ゆで卵

    ゆで卵はまとめて作り置きを。日持ちの目安は3日ほど。固めにゆでて、殻付きのまま冷蔵庫で保存します。

  • ⑤ホウレン草炒め

    下ゆでしたものをさっと炒めて、塩こしょうで味つけ。

  • ⑥ジャガ芋のビネグレットソースあえ

    ゆで置きしていたジャガ芋をビネグレットソース(お好みのドレッシングでも可)であえています。

  • ★ビネグレットソース

    エキストラバージンオリーブオイルとレモン汁(または酢)を3:1の割合で混ぜ、塩少々を加えて味を調える。

切り干し大根の煮物
〇材料
  • ・ 切り干し大根(乾燥)
    50g
  • ・ 干しシイタケ
    3〜4枚
  • ・ ニンジン
    30g(1/5~1/6 本)
  • ・ インゲン豆
    2~3本
  • ・油揚げ 1/2枚
  • ・ごま油 大さじ1
  • [A]
    • ・ 干しシイタケの
      戻し汁 250cc
    • ・ 酒 大さじ2
    • ・ みりん 大さじ1
    • ・ 砂糖 小さじ1/2
  • ・ しょうゆ 小さじ2
〇作り方
・下ごしらえ
切り干し大根は水で戻して固く絞る。干しシイタケは水で戻して細切りにする。ニンジンは細切りにし、インゲン豆は筋を取ってからゆでて斜めに2~3等分に切る。油揚げは細く切って湯通しする。
1. 鍋を熱しごま油を入れて温め、干しシイタケを炒める。
2. シイタケの香りがしてきたら、ニンジン、切り干し大根、油揚げの順に入れて炒め、[A]を加える。
3. 煮立ったらしょうゆを加え、再沸騰したら落としぶたをし、さらに鍋のふたをして弱火で15分煮る。
4. ふたを開けて中火にし、汁気が少なくなるまで煮詰め、インゲン豆を加えて混ぜ合わせる。
スムーズに仕上げる決め手は「仕込み置き」
ただでさえ忙しい朝。
前日に準備をしておけば、調理にも時間がかかりません。
  • ほうれん草をいためる
    STEP①

    下ゆでしたホウレン草を油で炒め、塩こしょうで味付けして取り出します。

  • 鶏胸肉に焼き目をつける
    STEP②

    油を足し、鶏むね肉に片栗粉をまぶして入れ、両面に焼き目をつけます。

  • 蒸し焼きにする
    STEP③

    ふたをして蒸し焼きし、中まで火を通します。

  • ハニーマスタードソースを回しかける
    STEP④

    ハニーマスタードソースを回しかけて絡めます。

    ハニーマスタードソースマスタード、蜂蜜、しょうゆを2:1:1の割合で混ぜ合わせる。
  • 完成の様子
    STEP⑤

    完成!

仕込み置き 5つのポイント
  • 献立のメモ
    POINT1:おかずをメモ!

    前日のうちにお弁当に入れるものを書き出しておきます。ひと手間ですが、これだけで朝の作業が各段に早く進みます。

  • 下ごしらえの様子
    POINT2:下ごしらえは前日に

    ソースは調味料を合わせ、鶏肉は火が通りやすいよう薄く切って酒に浸けておきます。朝は片栗粉を入れたビニール袋に肉を入れ、粉をまぶして焼くだけ。

  • 野菜のカットしてる要素
    POINT3:冷蔵庫にまとめてセット

    冷蔵庫にお弁当用のトレーを用意して、使うものをまとめておきます。野菜もカットしておくと朝の時間短縮に。

  • ジャガ芋のゆでおき
    POINT4:野菜のゆで置き

    特にジャガ芋などの根菜類は日頃から多めにゆで置きを。マヨネーズであえる、焼いて青のりを散らすなど多様にアレンジできます。

  • 小分けした様子
    POINT5:冷凍は小分けして

    切り干し大根の煮物など、常備菜は小分けにして冷凍しておくと便利。

2番お弁当を詰めましょう

見栄えの良い「詰め方」は彩りと立体感がポイント
ちょっとした工夫で、お弁当の見た目は大きく変わります。
彩りを考えておかずを選び、なるべく立体的に見えるように詰めましょう。
  • ご飯を詰める様子
    STEP①

    まず、ご飯を詰めます。おかずを乗せる部分は傾斜をつけるなど、仕上がりをイメージして形を整えるのがポイント。

  • スペースの間にレタスを敷く
    STEP②

    詰めたご飯とおかずのスペースの間にレタスを敷きます。彩りが良く、仕切りにもなります。

  • 奥にゆで卵を入れる
    STEP③

    奥にゆで卵を入れます。ゆで卵は真横に切るのではなく、縦や斜めに切ると立体感が出ます。

  • ゆで卵の手前にホウレン草
    STEP④

    おかずは奥から順番に入れていきます。ゆで卵の手前にホウレン草を。

  • 色の差のあるものを置く
    STEP⑤

    ホウレン草の手前にジャガ芋のビネグレットソースあえを。隣には同系色のものではなく、色の差のあるものを置くとそれぞれが引き立ちます。

  • スライスしたラディッシュを添える
    STEP⑥

    常備菜を入れます。隙間は後から埋めるのではなく、間を埋めながら順番に詰めていくのがコツ。

  • ハニーマスタードソースを回しかける
    STEP⑦

    スライスしたラディッシュを並べます。赤の彩りと仕切りも兼ねて。

  • 完成の様子
    STEP⑧

    ご飯の傾斜を利用しながらハニーマスタードチキンを入れます。最後にご飯にごまを振って完成!

詰め方のコツ
  • 収まり良く詰めるには
    仕上がりをイメージしてから詰めましょう。
    大きなおかずから詰めるのではなく、奥から手前に隙間を埋めながら詰めていきます。
  • 立体感を出すには
    ご飯は傾斜をつけて、おかずを乗せる土台に。
    おかずや野菜は縦や斜めに切ります。
  • 彩り良く詰めるには
    赤、黄、緑の3色に黒、白を加えた5色が入るとベスト。
    似た色のおかずは離して、隣には色の差のあるものを置くと互いの色が引き立ちます。

3番あると便利! 彩りを添える常備菜

  • トマトのマリネ
    トマトのマリネ

    ミニトマトを湯むきし、マリネ液に浸けます。

    マリネ液(材料と割合)
    調味料比率 酢2: 醤油1: オリーブオイル1
  • 黄パプリカのだし浸し
    黄パプリカのだし浸し

    パプリカをグリルで焼き、縦に6等分してへたと種を取り、調味液に浸けます。

    調味液(材料と割合)
    調味料比率 だし6〜7: 薄口しょうゆ1: みりん1
  • キュウリの中華あえ
    キュウリの中華あえ

    食べやすい大きさに切ったキュウリを塩もみして水気を切り、調味料であえます。お好みで、小口切りにした赤唐辛子を加えます。

    調味料(材料と割合)
    調味料比率 酢2: みりん2: 醤油1: ごま油1
  • 干しシイタケのごま酢煮
    干しシイタケのごま酢煮

    干しシイタケを水で戻して半分に切り、煮汁で汁気がなくなるまで煮詰め、最後にごまを加えます。

    煮汁(材料と割合)
    調味料比率 干し椎茸の戻し汁6〜7: 酢1: 醤油1: 酒1: みりん1
かもはら いずみさん
教えてくれた方 料理研究家

かもはら いずみさん

「キッチンは家庭の主治医」を理念に福岡市内で「旬菜健美クッキングスクール」を主宰。旬の食材を使った彩りや栄養バランスの良い料理は家庭で取り入れやすいと好評です。男子2人の母でもあり、お弁当作り歴は23年。