当たり前を、極めるプロへ。 / 工事士 中村 悟 / 西部ガスリアルライフ熊本株式会社 熊本

01当たり前が一番の難しさ

家庭用燃料電池エネファームや、床暖房、浴室暖房乾燥機などのガス機器設置工事に携わる中村さん。各戸建住宅メーカーの仕様に合わせてガス機器を取り付け、家庭のガス環境をより快適にしていく、いわば「家庭を輝かせるプロ」である。

最近では特に新築住宅に携わることが多く、日頃の作業では小さなキズ一つも付けぬよう、非常に神経を使っている。また新築住宅は図面があらかじめ決まっているので、どの現場でも常に同じように、間違えのない作業を、しっかりと続けていく当たり前のことが、実は一番難しいと話してくれた。

この仕事で一番大切なことは「人との付き合い」だと話す中村さん。新築住宅の現場には、電気設備や、大工、内装関係など多くの職人さんが一緒に作業するため、細かな人間関係にも気を配ることが求められる。いつお客さまと接してもいいように身だしなみも常にチェック。さらには、足場で転んで怪我をすれば、その家に悪いイメージが付いてしまうので、足元を特に注意するという心遣いもプロの強いこだわりだろう。

02自ら動き、現場の空気をつくる

「入社当初は先輩方にも『人との付き合いを大切にしろ』と言われました。

基本的には2人1組が多い作業ですが、一人で動くこともあります。まずは現場での挨拶を徹底し、自分の顔を覚えてもらうこと。たくさんの職人さんと一緒に作業する現場は、雰囲気が良くないと、それぞれいい仕事はできません。だからこそ作業しやすい雰囲気を、自分たちから動いてつくりだすように心掛けています」。

作業をしない日でも、中村さんは現場に通い、工事の進行を把握しているという。普段のコミュニケーションも徹底している。前職は給排水設備工事業者だったという中村さん。ガスの仕事は15年目となるベテランだが、ガスは水と比べて取扱いにより注意が必要で、この仕事に携わる時は「保安と安全」を特に強く意識したという。

この仕事は、「当たり前のことを当たり前にする」ことが大切。自分で徹底することはもちろん、当たり前の大切さをいかに若い人に伝えるか、実はそれが仕事以上に難しいと話す。熟練になっても、慣れてはいけない仕事。常に責任と初心を忘れずに、自分のスタイルを築いてほしいと願っている。

今まで教わってきた先輩方の多くは「見て覚えろ」という職人タイプ。その腕は確かで、当たり前のことを徹底する背中を見ながら知らず知らずに身に付けていったという。

03今、やれることに挑戦したい

そんな中村さんは、超アウトドアタイプ。休日には趣味のゴルフに加え、3年前からは本格的なマラソンも始めたという。熊本城マラソンには通算3回参加する休日ランナーだ。また、息子さんの剣道の応援など、考えてみれば休日の方が忙しいかもしれないと微笑む中村さんだが、実は先の熊本震災をご自身でも経験。自宅は全壊し、当時は、一つ一つの現場をこなすので精一杯だったという。「震災以降は何事も吹っ切れたというか、自分がやりたいことをどんどん挑戦するようになったし、できることをやろうと思うようになりました」と話す中村さん。

建物が完成する前にガス工事が終わる新築住宅の現場は、直接お客さまからの感謝の声が届くことは少ないが、完成後、その家に明かりが灯り、実際に人の暮らしが見えるとき、充実感が湧いてくるという。最後にこれから入社する人へのメッセージを伺った。

「技術的なことは、経験とともにできるようになるので、たくさんの人と付き合う中でより多くのお手本を吸収し、自分なりのやり方を極めていって欲しいと思っています。私もそういった人を育てられるように頑張ります!」

人の暮らしを支えるプロは、人を想う気持ちから育まれていくのかもしれない。

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