ゼロから創っていく楽しさ、必ずやり遂げるという誇り。 / 工事士 吉川 泰吾 / 株式会社ホームテック 佐世保 入社18年目

01早く「一人前」になりたい

その姿が現れると、現場の空気が変わる。活気が生まれ、経験と鍛錬に裏打ちされた技術の高さに、若手工事士は「いつかはこのようになりたい」と憧れる。それが、吉川さんだ。

入社したのは20歳のとき。「叔父が工事士だったので興味はあった」と語るが、いざ仕事を始めると、怒涛のような日々だった。忙しい現場ばかりをあちこち任され、手には大きな豆ができた。「あれを持って来い」「これを運べ」と言われるままに動き回った。そのうち、早く認められたい、自分でさわりたいと思うようになり、先輩に「させてください」と訴えた。だから最初に「やってみろ」と任されたときは嬉しかった。

02足りない技術は先輩に学ぶ

しかし、デビューはあっけなく終わった。モタモタしているうちに「そこをどけ、代われ」と言われ工具を取り上げられたのだ。気付けば10分近くも経っていた。「ただそこからが本当のスタート。じゃあ次はどうしたら早くできるか、先輩はどうやっているのか、真剣に考えて取り組むようになった」。やってみる、失敗する、次に生かす…を繰り返すうち、半年後にはひと通りの仕事ができるようになっていた。
「いろんな先輩と組むことで、さまざまなやりかたを学んだ。ガス管を上から配管するか、下から配管するか。どのようなルートで配管するか。自分のこだわりは、なによりも美観。ガスを流すのは当然の話で、あと5cm伸ばせば見栄えがいいとか、お客さまの満足のために人一倍工夫を重ねた」と語る。佐世保地区のビルやマンションの現場を数多く手掛け、自分の目指すレベルへ挑戦を続けた。

03十年に一度のチャンスを形に

そんなとき、吉川さんにとって「転機のひとつ」となる大きな仕事が舞い込んだ。十年に一度あるかないか、という大型商業施設の建設現場だ。「絶対に他に任せたくない」と思った吉川さんは、上司に「自分がやります」と立候補して担当を任された。敷地面積も超ド級ならば、店舗数も今まで手掛けた現場とケタ違い。大口径と呼ばれる、直径100mmもあるガス管を二人一組になって運び、ひとつひとつ仕上げていった。「今思い出してもしんどい現場だった」と振り返る。しかし、配管ルートに迷うことは一度もなかった。足掛け1年間にも渡る大工事だったが、トラブルもなく終えることができた。多くの人で賑わう施設の前を通るたび、「あれもやったな」という思いが胸に広がるという。

04自分たちにしかできない仕事

「この仕事は、いろいろな業者さんと一緒に現場をつくり上げる楽しさもあれば、完成したときの達成感もあり、お客さまから『きれいにしてもらいました』と感謝される喜びもある。ガスの供給を通して、ライフラインを支えていくというやりがいも大きい」と語る吉川さん。「ただ、ひとつの緩みが命を奪う事故につながるから絶対にミスはできない。その重み、責任、プライド…『誰にでもできる仕事じゃない』から、今まで続けられたと思う」。

05確かな絆と何でもやる魅力

ときにはプレッシャーも感じた日々で、気持ちを支えてくれたのは、家族の存在と、毎週、指導を続けているミニバスケットの選手たちの成長。そして、情の深い先輩や仲間たちとの絆だった。たとえば朝、その日の行先表を見て「今日の現場は残業かもしれないな」と思った日には、夕方、先輩たちから「大丈夫か」と普段は来ない電話が掛かってくるという。「大丈夫じゃないです」と正直に答えると、自分の現場を終えたその足で駆け付けてくれた。「自分たち工事士の一人ひとりが色々な現場を担当しており、お互いの連携も強い。最初こそ仕事を覚えるのに時間が掛かるが、何でもできるようになるのは強み。今後は、もっと後輩を育てていきたい」そう言って、力強く笑った。

PRIVATE

  • 家族で温泉。癒された〜笑笑♪

  • バスケットボールの大会での1枚。
    準優勝して、みんな最高の笑顔

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